本文へスキップ
災害対策

猫の災害時の預け先は?一時預かりの探し方と今日からできる備え

猫の災害時の預け先は?一時預かりの探し方と今日からできる備え

この記事の目次

「もし避難することになったら、この子はどうなるんだろう」。災害のニュースを見るたび、ふとそんな不安がよぎることはありませんか。

猫は場所に愛着を持つ動物で、環境の変化がとても苦手。知らない場所に預ける場面を想像すると、胸がぎゅっとなりますよね。

先に結論をお伝えします。預け先は「災害が起きてから探す」のでは間に合わないことが多く、落ち着いている今のうちに2〜3か所を書き出しておくのがいちばんの備えになります。環境省のガイドラインでも、「ペットの一時預け先の確保」は平常時にやっておくこととして挙げられています。

この記事では、猫の災害時の預け先の探し方と、愛猫の負担をできるだけ小さくする準備をまとめました。

目次

結論:預け先は「親戚・知人 → かかりつけ → 自治体・獣医師会」の順に当たる

まずは全体像から見ていきましょう。猫を預けられる先は大きく4つあり、頼みやすさと愛猫の負担の小ささで、当たる順番が決まります。

預け先 頼みやすさ 猫の負担 気をつけたいこと
被災地の外に住む親戚・知人 ◎ 小さめ 事前のお願いが前提。猫アレルギーの有無も確認を
かかりつけの動物病院・ペットホテル ○ ふつう 受け入れ数に限りあり。病院自体が被災する可能性も
自治体・獣医師会の一時預かり ○ ふつう 実施の有無は地域や災害の種類しだい。事前確認を
保護団体・ボランティアの預かり △ 大きめ 枠が少なく、募集は発災後になることがほとんど

この順番には理由があります。猫にとっていちばんつらいのは「知らない人・知らないにおい・知らない音」に囲まれること。顔を知っている人の家や、いつもの病院のほうが、同じ「預けられる」でも心の負担がぐっと軽くなります。

大前提は、飼い主さんと一緒に逃げる「同行避難」

環境省が推奨しているのは、ペットと一緒に避難する同行避難です。預けることは、その次に考える選択肢。

ただ現実には、家が住める状態ではない、飼い主さんが入院した、避難所に猫を置ける場所がない、といった場面もあります。「預けるかもしれない」と想定しておくことは、けっして弱気な準備ではありません。

預け先は「方角を分けて」3か所

同じ市内の3か所では、同じ災害でまとめて被災してしまいます。近所に1か所、市外に1か所、できれば県外に1か所。そんなふうに距離と方角を散らしておくと、どれかが必ず生き残ります。

冷蔵庫に貼る防災メモに、名前・連絡先・住所を書いておくと安心。スマホが使えない状況も、十分に起こり得ます。

預け先の探し方を、4つのルートで見ていく

ここからは、それぞれの探し方と「頼むときの一言」まで具体的に見ていきます。いま動けるものから、ひとつずつで大丈夫です。

① 被災地の外に住む親戚・知人にお願いしておく

もっとも現実的で、いちばん早いのがこのルート。ポイントは、災害が起きる前に「もしものときはお願いできますか」と一度だけ聞いておくことです。

お願いするときは、次の3つをセットで伝えると相手も判断しやすくなります。

  • 頭数と年齢、持病の有無
  • ごはん・トイレ砂は一式こちらで持ち込むこと
  • 預ける期間の目安(まずは2週間、など)

「お互いさまで、そちらのときもうちで預かります」と伝えられると、話がぐっと進みやすくなりますよ。

② かかりつけの動物病院・ペットホテルに確認しておく

いつもの診察台のにおいを知っている場所は、猫にとって「まったくの初めて」ではありません。持病のある子や、投薬が必要なシニア猫は、とくに動物病院が心強い預け先になります。

確認しておきたいのは、災害時に預かりをしているか、何頭まで受け入れられるか、費用はどのくらいか、の3点。次の診察のついでに、「もしものときって預かってもらえますか」と聞いてみてください。

③ 自治体・獣医師会の一時預かりを調べておく

地域によっては、獣医師会が風水害時の一時預かりを用意していることがあります。たとえば横浜市獣医師会は、台風や豪雨で飼い主さんが避難している間、会員の動物病院で犬猫や小動物を預かる仕組みを公表しています(事前登録は不要、預かり自体は無償。ただし病気の対応や投薬は別途費用)。

こうした制度は全国一律ではありません。お住まいの自治体サイトで「ペット 災害 一時預かり」と検索するか、動物愛護センターに電話で聞いておくのが確実です。

④ 保護団体・ボランティアの預かりは「最後の手段」として

保護団体が被災ペットの一時預かりを募ることもありますが、枠はごく限られ、告知は発災後になるのが実情です。あてにする備えではなく、どうしても行き場がないときの選択肢と考えておきましょう。

情報を探すときは、団体の公式サイトや公式SNS、自治体の発表など、出どころのはっきりした一次情報から。災害時はSNSに古い情報が残りやすく、すでに締め切られた募集が拡散し続けることもあります。

猫にとっての「預けられる」を、少しでも軽くする準備

預け先が決まっても、猫にとっては突然の引っ越し。ここでは、愛猫の不安をやわらげるために今日からできることをまとめます。

キャリーとケージを「安心できる場所」にしておく

ふだん押し入れにしまってあるキャリーを、部屋に出しっぱなしにしてみてください。毛布を敷いておくと、いつのまにか中で寝ていた、なんてこともよくあります。

猫にとってキャリーが「病院に連れていかれる箱」ではなく「自分の隠れ家」になっていれば、預け先でもそこが避難場所になります。ケージ内で数時間過ごせるように慣らしておけると、さらに安心。

「愛猫カルテ」を1枚つくっておく

これは意外と見落とされがちですが、預かる側がいちばん助かる備えです。A4用紙1枚に次の内容を書き、キャリーのポケットに入れておきましょう。

  • 名前・年齢・性別・毛色と、顔がわかる写真
  • かかりつけ病院の名前と電話番号
  • 持病、飲んでいる薬と回数
  • いつものフードの銘柄と1日の量、苦手な食べ物
  • トイレ砂の種類、隠れる場所のクセ、触られるのが苦手な場所

最後のひと項目が、実はとても大事。「抱っこは苦手だけど顎の下はうれしい」といった情報があるだけで、預け先の人がこの子に無理をさせずに済みます。

ワクチン・ノミダニ予防とマイクロチップ

他の動物と同じ場所で過ごす可能性があるため、混合ワクチンとノミ・ダニ予防は済ませておきたいところ。預かりの条件になっている施設もあります。

迷子対策としては、マイクロチップと、名前・連絡先を書いた首輪の併用が基本。接種や登録の時期は、かかりつけの獣医師に確認しておくと確実です。

いつものにおいのついたタオルを1枚

猫は視覚よりも、においで安心を確かめる動物。愛猫が寝ているベッドのタオルや、飼い主さんが一日着たTシャツを1枚入れておくと、知らない場所でも「自分のにおい」が手元に残ります。

小さな工夫ですが、環境の変化に弱いこの子たちにとっては大きな支えになります。

よくある質問

最後に、飼い主さんからよく寄せられる疑問をまとめました。

Q. 避難所には猫を連れて行けないのですか?

自治体によります。ペットの同行避難を受け入れている避難所は増えていますが、人の居住スペースとは別の場所(屋根付きの駐輪場や別室など)で飼育するのが一般的です。

お住まいの指定避難所がペットを受け入れているか、どこで飼育するのかは、平常時に自治体サイトで確認しておきましょう。

Q. 一時預かりにお金はかかりますか?

仕組みによって違います。獣医師会や自治体が災害時に行う預かりは無償のことがあり、ペットホテルや通常の動物病院の預かりは有料です。

いずれの場合も、治療や投薬が必要になった分は別途かかるのが通常。ごはん・トイレ砂・薬を自分で持ち込めるようにしておくと、費用も猫の負担も抑えられます。

Q. 多頭飼いです。まとめて預けられますか?

受け入れ側の空き状況しだいで、離ればなれになる可能性もあります。仲のよい組み合わせと、一緒にすると落ち着かない組み合わせを、先ほどの愛猫カルテに書いておいてください。

頭数が多いご家庭ほど、預け先は複数用意しておくほうが現実的。「3頭なら親戚宅、無理なら2頭を病院に」というように、分けて預ける前提で考えておくと慌てずに済みます。

まとめ

猫の災害時の預け先について、大切なところを3つにまとめます。

  • 預け先は起きてから探すのでは遅い。今のうちに方角を分けて2〜3か所
  • 順番は「親戚・知人 → かかりつけ → 自治体・獣医師会」。制度の有無は事前確認
  • 愛猫カルテ1枚と、においのついたタオルが、この子の不安をやわらげる

大げさな準備はいりません。今日、かかりつけの病院に電話を1本入れてみる。それだけでも、備えはきちんと一歩進みます。

▶ 関連記事:

⚠️ 免責事項
この記事の内容は一般的な情報提供を目的としています。掲載情報は執筆時点のものであり、個々の状況によって異なります。気になる症状がある場合は、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。

この記事を書いた人

NECOVIA編集部

猫と暮らす人の「知りたい」に、やさしく、わかりやすく応えるために記事を届けています。公的機関などの信頼できる情報をもとに執筆しています。

NECOVIAについて

この記事が役に立ったら、猫好きさんにシェアしてね

ポスト LINE

Amazonのアソシエイトとして、NECOVIAは適格販売により収入を得ています。