器の水にはほとんど口をつけないのに、お風呂場の蛇口やコップの水には目をキラキラさせて寄ってくる。そんな愛猫の「水飲みのこだわり」に、首をかしげている飼い主さんも多いのではないでしょうか。
もともと砂漠で暮らしていた猫の祖先は、少ない水で生きられる体のつくり。そのため、猫は水をあまり飲まない動物だといわれています。
とはいえ、水分不足は腎臓や膀胱のトラブルにつながりやすいもの。結論からいうと、猫が水を飲まないときの対策は「器・場所・水の鮮度」を見直し、ごはんからも水分をとってもらうことです。この記事では、今日からできる工夫を具体的にお伝えします。
結論:猫が水を飲まないなら「器・場所・鮮度」と「ごはん」で対策を
猫が水を飲まない理由の多くは、器や置き場所、水の状態が好みに合っていないこと。まずは次のポイントから見直してみてください。
- 器の素材や形を変えてみる(陶器・ガラス、浅くて広い器など)
- 静かで落ち着ける場所に、水飲み場を2〜3か所つくる
- 水はこまめに取り替えて、いつも新鮮に
- ウェットフードやふやかしたフードで、食事から水分をとる
元気や食欲があり、おしっこもいつも通り出ているなら、あわてなくて大丈夫。一方で、ぐったりしている、おしっこが少ないといった様子があれば、早めに動物病院へ相談しましょう。
猫が水を飲まない理由
猫にとって、水を飲むことは「安心して、好みの水を飲める場所があるか」がとても大切。飲まない理由を知ると、対策も見えてきます。
もともと水をあまり飲まない体質
猫の祖先は乾燥した土地で暮らし、獲物の体に含まれる水分で多くをまかなっていたといわれています。喉の渇きを感じにくく、自分からたくさん飲まない子が多いのはそのためです。
器が好みに合わない
ステンレスの器に自分の顔が映るのを嫌がったり、深い器でひげが縁に触れるのを嫌がったりする子もいます。プラスチックのにおいが気になる猫も少なくありません。
置き場所が落ち着かない
洗濯機やテレビの近く、人の通り道、トイレのそばは、猫にとって落ち着かない場所。ごはんのすぐ隣の水を避ける子もいます。
水が新鮮ではない
猫は水の鮮度にもこだわりがあります。ほこりや毛が浮いた水、時間がたってぬるくなった水は、ぷいっとされがち。蛇口の水を好むのは、「流れている水=新鮮」と感じているからだと考えられています。
口の中の痛みや体調不良
口内炎や歯周病で口が痛いと、水を飲むのもつらくなります。水の前まで行くのに飲まない、よだれが出ているといった様子があれば、口のトラブルかもしれません。
今日からできる!猫が水を飲まないときの対策
ここからは、おうちで試しやすい対策をご紹介します。愛猫の好みを探るつもりで、いくつか組み合わせてみてください。
器を変えてみる
陶器やガラスの器は、においが移りにくく人気です。口の広い浅めの器や、少し高さのある器にすると飲みやすくなる子も。
水飲み場を増やす
リビング、寝室、廊下など、猫がよく過ごす場所に2〜3か所置いてみましょう。お昼寝から起きたついでに、ふらっと飲んでくれることが増えます。多頭飼いなら、猫の数より1つ多く置くのが安心です。
水をこまめに替える
朝と夜の1日2回を目安に、器を洗って新しい水に替えましょう。水が流れる循環式の給水器を好む子もいますが、フィルター掃除はこまめに。
温度を工夫する
冷たすぎる水が苦手な子には、常温やぬるま湯を。夏は少しひんやりした水を喜ぶ子もいるので、様子を見ながら調整してみてください。
ごはんから水分をとる
いちばん取り入れやすいのが、食事からの水分補給。ウェットフードは水分が70〜80%ほど含まれているため、ドライフードだけの子に少し足すだけでも違いが出ます。
ドライフードをぬるま湯でふやかすのも手軽な方法です。ただし、ふやかしたフードは傷みやすいので、食べ残しは早めに片付けてください。
猫に必要な水分量の目安
「うちの子、足りているのかな?」と気になったら、1日の飲水量を目安と比べてみましょう。下の表は、食事から摂る水分も含めた、健康な成猫のおおまかな目安です。
| 体重 | 1日に必要な水分量のおおよその目安 |
|---|---|
| 3kg | 約120〜180ml |
| 4kg | 約160〜240ml |
| 5kg | 約200〜300ml |
必要な量は、季節や運動量、食べているフードによって変わります。ウェットフード中心の子は、器の水をあまり飲まなくても足りていることが多いですよ。
量を知りたいときは、朝に計量カップで決まった量を入れ、翌朝に残りを量るとわかりやすいです。数日続けて記録すると、この子の「いつもの量」が見えてきます。
病院に相談したほうがいいサイン
水を飲まない状態に、次のような様子が重なるときは、脱水や病気が隠れているかもしれません。早めにかかりつけの動物病院に相談しましょう。
- ぐったりしていて元気がない
- ごはんも食べない
- 首の後ろの皮膚をつまんで離しても、すぐに戻らない
- 歯ぐきがねばねばしている、目がくぼんで見える
- おしっこが少ない、何度もトイレに行くのに出ない
- 嘔吐や下痢が続いている
🐾 トイレに何度も行くのにおしっこが出ていない場合は、急いだほうがいいサインです。時間外でも動物病院に電話で相談してください。
よくある質問
猫が水を飲まないことについて、よくある疑問にお答えします。
Q. 猫が水を飲まないのは何日まで大丈夫?
「何日なら大丈夫」とは言い切れません。元気や食欲があり、ウェットフードで水分がとれているなら心配しすぎなくて大丈夫。ドライフード中心で丸1日ほとんど飲まず、元気もない場合は、早めに相談しましょう。
Q. 猫に水道水を飲ませても平気?
日本の水道水は、基本的にそのまま与えて問題ないとされています。ミネラルが多い硬水のミネラルウォーターは、尿路のトラブルを気にして避けるのが一般的です。
Q. 牛乳やスープで水分をとらせてもいい?
人用の牛乳はおなかをこわしやすく、人用のスープは塩分や玉ねぎなどが心配です。水分補給には、猫用のウェットフードや猫用のスープタイプのおやつを少量取り入れるのがおすすめ。
まとめ
猫が水を飲まないのは、よくあること。この子の好みに寄り添った工夫で、少しずつ飲んでくれるようになります。
- 器・置き場所・水の鮮度を見直し、水飲み場を増やす
- ウェットフードやふやかしで、ごはんからも水分補給
- ぐったり、おしっこが出ないなどのサインがあれば早めに受診
お気に入りの水飲み場が見つかって、ぺちゃぺちゃと飲む音が聞こえたら、きっと飼い主さんもほっとするはず。いろいろ試しながら、楽しく探してみてくださいね。
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⚠️ 免責事項
この記事の内容は一般的な情報提供を目的としています。掲載情報は執筆時点のものであり、個々の状況によって異なります。気になる症状がある場合は、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。