「最近、愛猫が水を飲む回数が増えた気がする」——7歳を過ぎたころから、そんな小さな変化が気になりはじめますよね。
猫の腎臓病(慢性腎臓病)は、シニア猫にとてもよくある病気。ただ、初期はほとんど症状が出ません。
先に結論をお伝えすると、いちばん早いサインは「水を飲む量と、おしっこの量が増えること」です。
そしてこの段階で気づけるのは、毎日そばで見ている飼い主さんだけ。この記事では、見逃しやすい初期症状と、おうちでできる確認、受診の目安をやさしく整理します。
結論:シニア猫の腎臓病の初期症状は「多飲多尿」
まず押さえておきたいのは、初期にはっきり出るサインが「水とおしっこ」に現れるということ。痛がる・鳴く・吐く、といったわかりやすい症状は、もっと後になってから出てきます。
次のような変化が続いているなら、一度かかりつけの獣医師に相談してみてください。
- 水飲み場に行く回数が増えた
- おしっこのかたまりが大きい、砂の交換が早くなった
- おしっこの色が薄く、においが弱くなった
- なんとなく毛づやが落ちてきた
- 食べているのに少しずつ痩せてきた
「気のせいかも」と思う程度の変化で大丈夫。気づけたこと自体が、この病気ではいちばん大きな一歩です。
すぐに受診してほしいサイン
次のどれかが当てはまるときは、様子見をせず早めに動物病院へ。
- ごはんをほとんど食べない日が2日以上続く
- 何度も吐く、口のにおいが急に強くなった
- ぐったりして、いつもの場所から動かない
- 逆におしっこがほとんど出ていない
初期症状が見逃されやすい、2つの理由
「うちの子に限って」ではなく、腎臓病はそもそも気づきにくい病気。その理由を知っておくと、見る目が変わります。
理由① 猫にとって「不調を隠す」のは自然なこと
猫はもともと、弱っているところを見せない動物。野生では、不調を悟られることが危険に直結したからです。
だから愛猫は、少しつらくても今日もキャットタワーに登り、いつもの窓辺で丸くなる。飼い主さんが気づけないのは、当然といえば当然のこと。
理由② 腎臓は「かなり働けなくなってから」症状が出る
腎臓には余力があり、機能が大きく落ちるまで数値にも症状にも出にくいと言われています。国際的な分類(IRISステージ)でも、ステージ1は無症状とされ、多飲多尿が出てくるのはステージ2から。
つまり「症状が出たとき=始まったとき」ではありません。だからこそ、数値より先に気づけるおうちの記録が効いてきます。
おうちで見るのは「3つの数字」だけでいい
ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところ。難しい観察は不要です。月に1回、次の3つをメモするだけで、変化の兆しはかなり見えてきます。
① 1日に飲む水の量
朝に計量カップで水を入れ、翌朝に残りを量って引き算するだけ。猫の飲水量は1日で体重1kgあたり50ml前後が目安とされ、1kgあたり100mlを超えるようなら多飲を疑うとも言われています。
ただし季節やフードで変わるもの。大切なのは基準値より「うちの子のいつも」との比較です。
② おしっこのかたまりと回数
固まる砂なら、いちばん大きなかたまりをスマホで撮っておくのがおすすめ。ゴルフボール大がテニスボール大になっていれば、それは立派な記録。
「猫砂の減りが早くなった」も、りっぱな異変のサインになります。
③ 体重
抱っこして体重計に乗り、自分の体重を引くだけでOK。腎臓病では、食欲があるのにじわじわ減ることがあります。
| 見るもの | 頻度 | 気にしたい変化 |
|---|---|---|
| 飲水量 | 月1回 | いつもの1.5倍以上 |
| 猫砂・おしっこ | 週1回 | かたまりが明らかに大きい |
| 体重 | 月1回 | 3か月で5%以上減った |
動物病院ではどんな検査をするの?
「相談しても大げさじゃないかな」と迷う方も多いところ。実際の検査は、猫にとっても負担の少ないものが中心です。
血液検査と尿検査
血液ではクレアチニン・BUNに加え、SDMAという項目を見ることがあります。クレアチニンが正常範囲でも早い段階で上がることがある指標で、早期発見の手がかりになるとされています。
尿検査では、尿の濃さ(尿比重)とたんぱくを確認。実は、血液より先に尿に変化が出ることも少なくありません。
健康診断は年1〜2回が目安
7歳を過ぎたら、年1〜2回の血液・尿検査がすすめられています。おしっこは自宅で採れることもあるので、通院が苦手な子は動物病院に採り方を聞いてみてください。
よくある質問
飼い主さんからよく寄せられる疑問をまとめました。
Q. 水をよく飲むだけで病院に行ってもいい?
もちろん大丈夫。「多飲多尿が気になります」と伝えれば、必要な検査を選んでもらえます。何もなければ、それがいちばんの安心材料。
Q. 猫の腎臓病は治るの?
慢性腎臓病では、失われた腎臓の働きを元に戻すことは難しいとされています。ただ、食事療法や治療で進行をゆるやかにし、穏やかな時間を長く保てるケースは多くあります。
Q. 何歳から気をつければいい?
7歳ごろからが目安。15歳以上の猫では30〜50%が慢性腎臓病とも言われ、年齢とともに増えていきます。
まとめ
最後に、大切なポイントを3つだけ。
- シニア猫の腎臓病の初期症状は「水を飲む量とおしっこが増える」こと
- 症状が出る前の段階では、飲水量・猫砂・体重の記録がいちばんの手がかり
- 7歳を過ぎたら年1〜2回、血液検査と尿検査を
今日の小さな違和感に気づけたのは、愛猫のことをちゃんと見ているから。心配しすぎなくて大丈夫、ただ「いつもと違うかも」は、遠慮なくかかりつけの先生に話してみてくださいね。
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⚠️ 免責事項
この記事の内容は一般的な情報提供を目的としています。掲載情報は執筆時点のものであり、個々の状況によって異なります。気になる症状がある場合は、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。