「猫の腎臓病に、新しい薬ができるらしい」。そんな話を耳にして、検索からこのページにたどり着いた方も多いのではないでしょうか。シニア期の愛猫がいるおうちなら、なおさら気になりますよね。
先に結論からお伝えします。AIM猫薬「FeliAIM(フェリエイム)」は2026年4月に農林水産省へ製造販売の承認申請が行われ、現在は審査中。発売の時期はまだ決まっていません。
この記事では2026年9月時点でわかっていることを整理しながら、「待っているあいだに、おうちでできること」までお伝えします。
結論:FeliAIMは審査中。使えるようになる時期は未定です
いちばん知りたいところを、最初にはっきりさせておきますね。ここが曖昧なままだと、あとの情報も判断しづらくなります。
- 2026年4月24日、株式会社IAM CATが農林水産省へ、AIM猫薬「FeliAIM」の製造販売承認申請を行った
- 2026年9月現在、審査中。承認はまだ下りていない
- したがって、動物病院で処方してもらうことは、今の時点ではできない
年内の承認に期待する声もありますが、結果も時期も決まってはいません。「もうすぐ買えるらしい」という情報を見かけたら、いったん立ち止まって出どころを確かめるくらいで、ちょうどいいと思います。
📌 この記事の情報は2026年9月時点のものです。最新の状況は、開発元や農林水産省の発表をご確認ください。
そもそもAIMって何?猫の腎臓とのつながり
名前だけが先に広まっている言葉なので、ここで一度かみくだいておきます。仕組みがわかると、「なぜ猫にこれが必要と言われているのか」も見えてきます。
AIMは、体のお掃除を助けるたんぱく質
AIMは血液の中にあるたんぱく質のひとつ。体の中で出た不要なゴミを免疫細胞が片づけるのを、そばで手伝う役割があると研究されています。
腎臓では、尿をつくる細い管(尿細管)が老廃物でつまってしまうことがあります。AIMは、そのつまりを片づける作業のスイッチを入れる。そんなイメージです。
猫のAIMは、いざというときに動きにくい
ここが猫の特殊なところ。
人や犬のAIMは、必要になると血液中から離れて腎臓へ向かうといわれています。ところが猫のAIMは、血液中の別のたんぱく質(IgM)と強くくっついたままになりやすいと考えられています。
つまり、道具はあるのに取り出せない状態。腎臓のつまりが片づかず、少しずつ負担が積み重なっていく。猫に慢性腎臓病が多いといわれる理由のひとつが、ここにあるとされています。
猫にとっては、生まれつき背負ってきた不利な条件。飼い主さんのお世話が足りなかったから、ではありません。
FeliAIMは、その「働けないAIM」を外から補う薬
開発されているのは、AIMを注射で補うお薬です。治験では、尿細管につまった老廃物の除去が進み、つまりが改善したと報告されています。
ただし、これはあくまで治験段階での報告。どんな状態の子に、どこまで期待できるのか。正式な情報は、審査を経て明らかになるのを待つ段階です。
承認を待つあいだに、気をつけたいこと
期待の大きい話題ほど、その周りにまぎらわしい情報も集まります。愛猫を思う気持ちにつけこまれないよう、2つだけ知っておいてください。
「AIM」をうたう商品は、新薬とは別のもの
すでに「AIM」という言葉を使ったフードやサプリメントが市販されています。これらは、動物用医薬品として申請されたFeliAIMとはまったくの別物。フードやサプリが、お薬の代わりになるわけではありません。
すでに治療を受けている子なら、新しいものを足す前に、かかりつけの獣医師へ一言相談を。腎臓の状態によっては、合わないものもあります。
「今なら予約できます」には気をつけて
承認前の医薬品を、飼い主さん個人に向けて販売・予約することはできません。高額な前払いや、SNSでの個人間のやりとりを持ちかけられたら、まず疑ってかかって大丈夫。
| 見かけるもの | どう考えるか |
|---|---|
| 「AIM配合」のフード・サプリ | 医薬品ではない。使う前に獣医師へ相談を |
| 「新薬を先行予約」の案内 | 承認前の販売はできない。関わらない |
| 「◯月発売決定」という断定 | 公式発表を確認。決まっていれば必ず出ます |
待っているあいだに、おうちでできること
新薬を待つ時間は、何もできない時間ではありません。腎臓は「悪くなってから戻す」より「進みをゆるやかにする」ほうが現実的。今日からできることを3つに絞りました。
① 水を飲む量を、そっと増やす
猫はもともと、たくさん水を飲む動物ではありません。乾いた土地で暮らしていたご先祖さまのなごり、ともいわれています。
水飲み場を1か所増やす。ウェットフードを取り入れる。ぬるめの水にしてみる。どれかひとつ試すだけでも、1日の水分量は変わってきます。
② 年に1〜2回、血液と尿の検査を
腎臓は、ダメージが進んでもなかなか見た目に出ません。数値で見つけるのがいちばん確実。
目安は7歳を過ぎたら年1回、11歳を過ぎたら年2回といわれています。血液検査に加えて尿検査もお願いすると、見えてくるものが増えます。検査項目について気になることがあれば、かかりつけの獣医師に聞いてみてください。
③ おしっこと体重の変化に気づく
「水をよく飲むようになった」「おしっこの量が増えた」「抱き上げたとき、少し軽くなった気がする」。
腎臓のサインは、猫が訴えてくるというより、暮らしのなかにそっと現れます。トイレ掃除のついでで十分。気づけたことが、いちばん大きな一歩になります。
よくある質問
同じキーワードでよく一緒に調べられている疑問を、3つまとめました。
Q. FeliAIMはいつから動物病院で使えますか?
2026年9月時点では審査中で、使用できる時期は決まっていません。承認が下りたあと、製造と流通、動物病院への供給が整ってから、という流れになります。
Q. 値段はどれくらいになりますか?
公式には発表されていません。注射のお薬で継続的な使用が想定されるという見方はあるものの、金額を断定できる情報は出ていない状況です。気になる場合は、ペット保険の補償範囲も含めて、早めに考えておくと安心。
Q. すでに腎臓病と診断された子にも使えますか?
対象となる病期(ステージ)や条件は、承認の内容とともに明らかになります。今の治療をやめて新薬を待つ、という判断はしないでください。まずは、現在の治療を続けながら、かかりつけの獣医師にご相談を。
まとめ
ここまでの内容を、3つに絞って振り返ります。
- FeliAIMは2026年4月に承認申請され、2026年9月時点では審査中。発売時期は未定
- 猫のAIMはIgMと結びついて働きにくいとされ、それが腎臓病の多さに関わると考えられている
- 待つあいだにできるのは、水分の工夫・年1〜2回の検査・日々の変化に気づくこと
新しいお薬の話にわくわくしつつ、いちばん頼りになるのは、毎日そばで見ている飼い主さんの目。今日も膝の上で丸くなっているこの子のために、できることから続けていきましょう。
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⚠️ 免責事項
この記事の内容は一般的な情報提供を目的としています。掲載情報は執筆時点のものであり、個々の状況によって異なります。気になる症状がある場合は、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。